社労士をとった後のキャリアはどうしたらいいかな…
社労士事務所って色々あるけど、業務的にどう違うんだろう?
結構忙しいとか聞くけど…。
現在社労士試験を勉強中の方や社労士資格を取得した方で、
- 取得後のキャリア選択に悩んでいるの方
- 社労士試験を取ったけれど転職先をどこにするかお悩みの方
こういった方は多いと思います。
社労士としてのキャリアを考える際の大きな分岐はこの2点。
① 独立か勤務か
② 社労士事務所か一般企業か
そして、社労士事務所には様々なタイプが存在します。
今回は実際に社労士事務所に務める私が、
社労士としてのキャリア・タイプ別の社労士事務所について解説していきます。
ワイが実際に経験したことや、働いていた方から見聞きした内容をもとに解説していくで。
- これからのキャリアに悩んでいる人
- どういった事務所に就職・転職するか悩んでる人
こういった人は参考にしてみてね~!
社労士としてのキャリア概要
① 独立か勤務か
社労士は独立開業・勤務どちらも選択できる資格です。
社労士としてのキャリアを考える際に、独立を視野に入れるのかどうかが最初の分岐点です。
社労士事務所への転職を考えている方は独立を視野に入れている方が多いかもしれませんね。
独立を視野に入れると言っても、
- ガンガン稼ぐためにできるだけ早く独立したい方
- すぐではないけど将来の選択肢の一つとして考えている方
という方まで様々かと思いますが、自分の中で独立について明確な答えがあれば、
- すぐ独立したいという方→実戦経験を積むために社労士事務所
- 将来的には独立も~という方→一般企業で勤めつつ講習会で研鑽・人脈形成
という今取るべきキャリア選択が自然と見えてきますね。
② 社労士事務所か一般企業か
独立しようとしたら社労士事務所で働いておかないと駄目なの??
そんなことないよ~。
一般企業の勤務経験だけで独立してる人、普通に居るよ。
ただ、独立するとなると、
- 社労士事務所での作業フロー
- 顧問契約等の価格設定
- 士業用申請ソフトの選定・使用法
など実際の経験がないとわからないことは多いかと思います。
特に、見積もりを出す際には各作業の工数を把握していなければ適正価格で出すことは難しいでしょう。
そのため、独立する方は
一般企業で勤める→社労士資格取得→社労士事務所で修行→独立
というキャリアの方が多いのではないでしょうか。(社労士資格取得タイミングは人それぞれですが…)
独立を視野に入れる場合は社労士事務所での経験があったほうが有利ではある、とは思います。ただ、絶対というわけではないですよ。
タイプ別の社労士事務所について解説
それでは、社労士事務所をタイプごとに解説をしていきます。
※今回解説している内容はあくまでも「こういった事務所が多い」というだけで、すべての事務所が当てはまるわけではありません。その点はご承知ください。
中小零細企業の手続き・労務相談を主に行う社労士事務所
- 36協定、就業規則、給与計算から労務相談まで幅広く経験できる。
- 一人が数社〜数十社を担当する会社担当制が多い。
- 業務は多忙になりやすく、平均的な労働条件は…
このタイプが社労士事務所としての一般的なイメージに近く、かつ、最も多いと思います。
中小零細企業の給与計算や各種社会保険手続き、就業規則作成・改定、労務相談などを幅広く行う事務所になります。
独立して事務所を設立したい!という方にとっては最適な経験が積める職場といえます。
多忙になりやすい理由
中小零細企業をメインにする社労士事務所は、比較的規模の小さい会社が少しずつ増えていきます。
経営的に顧問先が1社増えたとしても人を増やすほどの収益は発生しづらいため、
会社が増える→業務が増える→業務量がキャパを超えるor人を雇える程度の収益が見込める→人を雇う
上記の流れになりやすいため、一人あたりの業務量が多くなり残業時間などの労働条件があまり…という事務所もあるんですね。(何度も言いますがすべての事務所がそうというわけではないです)
給与計算業務について
給与計算業務も多忙になる一因となっています。
お金のことですし支払日の期限がきっちり決まっているため、時間面で融通がきかせづらい点や、他の業務に比べ作業工数が多い点が主な理由ですね。
企業側からするとそういった部分こそ専門家に外注したい部分ですし、社労士事務所としても給与を含めて現状を把握しておいたほうが助成金等でのトラブルも少なくなるということもあり引き受けているところが多いのではないでしょうか。
システムなどに落とし込み、いかに業務を効率的に行っているかで(労働条件での)明暗が分かれるところかと思います。
ただ、最近は中小企業でも導入しやすい人事システムを使用して業務改善してるところも多いから、そこまで身構えなくてもいいけどね。
個人的にはソフトやシステムを使用した業務改善を含めて提案できるような社労士事務所がうまくいくと思うんよね。
大手企業の給与計算・社保帳票作成を主に行う社労士事務所
- 業務内容は手続き業務がメイン
- 手続き業務の数は膨大
- 中小零細企業メインの事務所よりは労働条件がいい場合も
中小企業を相手にしている事務所だけでなく、大企業を相手に社保業務や給与計算業務を行っている事務所もあります。
大企業の業務を1人で行うことは難しいので、1社の業務を何名かで行うチーム制をとっている事務所が多いですね。
残業や業務量
大企業の導入には時間がかかります。いきなり「じゃあ来月からよろしく」と言うことはありません。
契約までの準備期間が長く、おおまかな業務量・人員確保や業務フローなどが事前に確認できるため、残業など労働条件は比較的良いことが多いです。(ただし見積もりを誤るととんでもないことになりますが…)
業務内容について
業務内容は手続きが中心になります。とくに3〜4月は得喪手続きが大量に発生するためかなり忙しくなります。雇用保険・厚生年金など手続き関係の経験を多く積むことができます。
一方、労務相談などはかなりのキャリアや経験が無ければ任されづらいでしょう。
手続きに関する現場レベルの相談はあるとしても、会社規模の労務相談は代表や幹部社員が対応するという事務所が多いのではないでしょうか。
チーム制で業務を行う際の注意点
会社担当制の場合は1つの会社の様々な業務を行うことになりますが、業務担当制の場合は特定の手続きしか経験できないという可能性もあります。
独立や転職をする際に、特定の業務しか経験できていないというのはキャリア的にマイナス要素になりますよね。
ただ、この点に関しては、ジョブローテーションなどで個人のキャリアについて配慮している事務所も多いと思います。面接の際などに確認されるのが良いかと思います。
コンサルファーム・コンサルメインの社労士事務所
- 収入は他の社労士事務所より高い
- 求められる経験や能力も高い
- 税理士・司法書士など他の士業の方と一緒に働けることも
業務内容としては人事制度構築や採用、人材教育などの人事労務に関する事柄について、経営者の方に助言を行います。
経験やスキルを求められますし、かなりのプレッシャーがありますが、それだけにやりがいも感じられる業務だと思います。
他タイプの社労士事務所と比べると年収も平均的に高く設定されています。
他士業の方と一緒に業務を行うこともあり、
- 社労士以外の分野も学べる
- 人脈形成もできる
という成長したい方には最適な環境かもしれませんね。
【+α】税理士事務所に併設された社労士事務所
税理士と社労士は業務内容的に相性が良く、また、税理士事務所で社労士の業務を行うことはできないため、グループ会社という形で税理士事務所に社労士事務所が併設されていることも多いのです。
こういった併設された社労士事務所は他の社労士事務所より比較的給与条件が高めになっています。これは税理士法人での収益が高いため、社労士業務のみの事務所と比べると収益の余裕があるためですね。
ただ、こういった事務所では社労士は税理士の補助的な扱いになることもありますので、その点は注意が必要かもしれません。
その他の事務所について
ここでは大まかに3パターン+αを解説しましたが、この他にも
- 助成金をメインにする事務所
- 障害年金をメインにする事務所
など、様々な手続きに特化した事務所もあります。
自分がどういう社労士になりたいか、どういう生活を送りたいか。
ここをよく考えてみて、自分にあった事務所を選んでみてね。
キャリアについての注意(社労士事務所編)
一般企業への転職について
社労士事務所で経験積んでから一般企業に転職しようかな~
残念ながら、社労士事務所から一般企業への転職は間口が狭くなるといわれています。
実際に求人を見ると、一般企業での経験を条件にしている求人が多くなっています。
なぜこうなるのかというと、求められるスキルが異なるためです。
ただ、社労士事務所での経験を条件にしている企業もあるので、絶対無理というわけではないことは覚えといてね。
一般企業と比べて給与は高くはない
コンサルメインの事務所などを除き、基本的に社労士事務所の給与水準は一般企業と同等かそれ以下のところが多いです。
賞与も少な目で夏冬1ヶ月ずつというところが相場ですかね。
一般企業から転職してきて「え、こんなに少ないの…?」ってなる人、結構多いんですよね。
ワイも親に年収の話したら「それだけしかもらえんの?」と心にボディーブロー食らわされたで…
社労士事務所などの士業は労働集約型のビジネスモデルなため、収益率はそこまで高くないんですね。
税理士業界は市場規模が1兆円を超えるため収入もそれなりに高いことが多いですが、社労士業界は市場規模も大きくなく、それが給与にも影響しているんですね。
【閑話】年収アップのための転職について
ちなみに、年収を上げたいと考えている方も多いと思いますが年収はどの業界のどの職種についているかでほぼ決まります。
年収を上げていくための転職方法を知りたい!という方は、こちらの本に詳しく記載されていますので、興味のある方はご参考ください。
おすすめの就職転職サイト
就職や転職を考えている方は、転職エージェントや社労士に特化したサイトを利用するのが良いと思います。
ここでは私がおすすめするサイト&転職エージェントをご紹介します。
①社労士専門の求人転職サイト「ヒビコレ」
あまり実務経験がない、社労士事務所での実務経験を積みたいという方はこちらをチェックしてみると良いと思います。
このサイトは転職エージェントではなく、電話がかかってきたりとかしませんので気軽に見てみるといいですよ。
②リクルートエージェント
転職エージェントに詳しくない方も知っているであろう【リクルートエージェント】 です。
知名度も高く、非公開求人数を10万件以上取り揃えているため様々な業界の求人に出会うことができます。
③マイナビエージェント
リクナビと双璧をなす転職エージェントですね。こちらも非常に求人案件が多く、また、第二新卒など20代の方の転職に強みがあります。
応募書類の添削や面接対策等も対応してくれるうえに、社風・職場環境など文面ではわからない部分についてもお知らせしてくれます。
④MS-Japan
管理部門特化型の転職エージェントになります。大手上場企業や外資企業、優良ベンチャー企業から法律事務所まで管理部門に特化した求人案件を取り揃えています。
社労士資格や人事労務での経験を活かしての転職活動を考えている方はこちらに登録されるのが良いと思います。
転職エージェントに抵抗ある人もいると思うけど、担当エージェントと話してみると
- 今の自分の市場価値
- 市場トレンド(求められるスキル・経験)
がわかるから、転職を考えている人はエージェントに登録してみるのをおすすめするで。
話した上で合わなかったり、考えが変わったらやめればええからね。
まとめ~これからの社労士のキャリアについて~
今回は社労士のキャリアとタイプ別の社労士事務所について解説しました。
記事内では解説できていない社労士としてのキャリアもありますので、あくまでも概論として捉えてくださいね。
例えば、
- SEで人事システム構築をしていた方が社労士を取って独立
- 労務管理システム会社に社労士として就職
というようなパターンもあるんよね。
最近はYouTuberとして活動されてる先生もいるし。
働き方改革など関連する法律が整備され、社労士の社会的な重要性が大きくなっていますが、同時に社会も凄まじいスピードで変化しています。
これまでにないような社労士としての働き方も出てくると思いますので、自身のキャリアについては柔軟に考えるのが大事だと思います。
自分自身でキャリアを制限してしまうのはもったいないからね。
どんな経験でも活かし方はきっとあるから。
あなたが送りたい人生を歩めるよう応援してるで!
ちなみに、
私が社労士を目指した理由や社労士の就職転職サイトについて書いた記事がこちらになります。
それでは今回はここまで。どうもありがとうございました!
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